夫婦カウンセリングを調べると、「二人で受けないと意味がないのか」「何を話すのか」「秘密は守られるのか」と迷うことがあります。提供者ごとに対象、進め方、資格、料金、記録の扱いは異なります。
カウンセリングは、夫婦関係の改善や継続を保証するものではありません。離婚、生活費、財産、子どもなどの法的判断を行う法律相談とも役割が違います。申し込む前に、自分が求める助けと提供条件が合うかを確認します。
気持ち、法律、安全など目的別の入口を先に比べたい場合は、夫婦の悩みに合う相談先の選び方を参照してください。
最初に相談の目的を一つ決める
「夫婦仲をよくしたい」という言葉だけでは、当日の期待が二人でずれることがあります。まず、今いちばん近い目的を選びます。
- 自分の気持ちを一人で整理したい
- 同じ話で衝突する流れを整理したい
- 互いの希望や境界を安全に言葉にしたい
- 今後の選択肢を考えるため、第三者に進行してほしい
- カウンセリング以外の相談先が必要か確認したい
提供者が扱う範囲と自分の目的が違う場合、初回相談だけで別の窓口を案内されることもあります。何回で解決するか、どちらの意見が正しいかを最初から約束できるとは限りません。
一人で受けるか、二人で受けるか
夫婦同席だけを扱うところ、一人での相談も受けるところ、最初は個別で状況を確認するところなど、条件は提供者によって異なります。
申し込み前に次を確認します。
- 一人でも申し込めるか
- 後から配偶者が同席する場合、手続きや料金は変わるか
- 同席と個別の面談をどのように使い分けるか
- 個別に話した内容を、もう一方へどう扱うか
- 配偶者が参加しない場合にできること、できないことは何か
同席するかどうかは、サービスの都合だけでなく安全も含めて判断します。威圧や暴力があり、自由に話すことが難しい場合は、二人同席を前提にしません。
相談の進め方と条件
「カウンセリング」という名称だけでは、時間、形式、扱うテーマは分かりません。公式ページや事前説明で次を確認します。
- 一回の時間と、初回・継続回の違い
- 対面、電話、オンラインなどの方法
- 相談の目標を誰がどのように決めるか
- 課題や記録を求められるか
- 緊急時の相談先として利用できるか
- 医療、法律、福祉など他機関への紹介方針
通常の予約制カウンセリングは、緊急通報や24時間対応の窓口とは限りません。受付時間外や危険が迫る場面の連絡先は別に確認します。
資格名と運営主体を確認する
「カウンセラー」という表示だけでは、その人がどの資格、教育、実務経験を持つかは分かりません。担当者の資格名、登録や所属、専門領域、運営法人、問い合わせ先を公式ページで確認します。
公認心理師は、公認心理師法に基づき登録を受け、心理に関する相談、助言、援助などを業とする国家資格です。一方、公認心理師の資格があることだけで、夫婦相談の経験、特定の方法との相性、相談の結果まで保証されるわけではありません。
資格名が書かれている場合は、似た名称と取り違えず、どの団体や法律に基づくものかを確認します。資格だけで決めず、夫婦・家族の相談を扱うか、対応できないテーマを明示しているかも見ます。
守秘の説明は「守ります」の一文だけで判断しない
公認心理師法は、公認心理師に対し、正当な理由なく業務で知り得た秘密を漏らしてはならないという秘密保持義務を定めています。ただし、すべての「カウンセラー」が公認心理師とは限りません。また、法律上の義務がある場合でも、提供者から具体的な説明を受けることが大切です。
夫婦相談では、次の点を確認します。
- 一人で話した内容を配偶者へ共有する条件
- 担当者以外に記録を閲覧できる人
- 記録する内容、保管期間、削除や開示の方針
- 生命・身体の危険、虐待、法令上の要請などがある場合の扱い
- オンライン相談で使うシステムと通信環境
「絶対に誰にも伝わらない」と自分で広げて解釈せず、例外を含むプライバシーポリシーや同意事項を申し込み前に読みます。分からない点は、具体的な場面を挙げて問い合わせます。
料金・キャンセル・記録を総額で見る
初回料金だけでなく、継続した場合の負担とやめ方を確認します。
- 税込みの一回料金と支払方法
- 夫婦同席と個別面談の料金差
- 延長料金、資料代、オンライン利用料の有無
- キャンセル・遅刻・日程変更の期限と費用
- 回数券や継続契約の総額、返金条件
- 領収書、相談記録、録音・録画の扱い
料金やキャンセル条件は提供者ごとに異なります。広告に書かれた最安額だけでなく、申込画面、利用規約、同意書の最新表示を基準にします。体験談や「必ず改善する」という表現だけで申込みを決めません。
オンライン相談で追加確認すること
オンラインの場合は、自分と相手が安心して話せる場所を確保できるかも確認します。配偶者や家族に会話が聞こえる、途中で入室される、共有端末に通知が残る環境では、話せる内容が限られます。
利用するアプリ、通信が切れた場合の再接続、本人確認、録音・録画の可否、資料の送付方法を確認します。提供者側のプライバシー説明に加え、自分の端末、イヤホン、通知、周囲の環境も見直します。
暴力や強い支配がある場合は同席を急がない
殴る、蹴るだけでなく、怒鳴る、脅す、行動やお金を制限する、端末を監視する、嫌がる性的な行為を強いるなどの状況では、同席の場で自由に話せない可能性があります。
相手の前で話した内容が後から責める材料にされる不安がある場合は、夫婦カウンセリングを最初の入口にせず、安全な端末から公的窓口へ相談します。内閣府のDV相談ナビは全国共通番号「#8008」から最寄りの配偶者暴力相談支援センターにつながります。緊急の危険があるときは110番を利用してください。
安全上の不安を予約先へ伝える場合も、相手に知られない連絡方法があるかを先に確認します。
法律相談とは分ける
カウンセリングで気持ちや対話を整理できても、離婚、生活費、財産、子どもなどの法的結論を代わりに出すことはできません。具体的な権利や手続きが問題なら、法律相談を別に利用します。
法テラスは、法制度や相談窓口の情報提供を行い、一定の要件を満たす人へ無料法律相談や費用立替制度を案内しています。対象や費用条件は公式案内で確認します。カウンセリングと法律相談の両方が必要になる場合も、それぞれに何を確認したいかを分けます。
申し込み前のチェックリスト
- 一人・二人のどちらで利用できるか
- 今回の目的を扱っているか
- 担当者の資格名、専門領域、運営主体は確認できるか
- 個別に話した内容と記録をどう扱うか
- 守秘の範囲と例外が説明されているか
- 料金総額、キャンセル、返金条件は明確か
- オンラインの通信・録音・環境条件は確認できるか
- 緊急時や安全上の不安に対応する窓口か
- 法律・医療など別の専門先が必要ではないか
全部に同じ答えがある必要はありません。分からない項目を質問でき、その回答を読んでから申し込めることが大切です。
条件を確認してから選んでよい
夫婦カウンセリングは、二人を説得して同じ結論に導く場だと決めつける必要はありません。一人での整理、同席での対話、別の専門窓口への接続など、提供条件によって役割は変わります。
目的、一人・二人での利用、資格と運営、守秘の説明、料金、キャンセル、記録、オンライン、安全を確認し、自分の状況に合わなければ申し込まない選択もできます。結果を約束する言葉より、条件と限界を明確に説明するかを見てください。
参考・確認した情報
- 厚生労働省「公認心理師」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116049.html
- e-Gov法令検索「公認心理師法」 https://laws.e-gov.go.jp/law/427AC1000000068
- 厚生労働省「困った時の相談方法・窓口」 https://www.mhlw.go.jp/mamorouyokokoro/soudan/
- 法テラス「夫婦・男女トラブルの悩み」 https://www.houterasu.or.jp/lp/danjo2022a/
- 内閣府男女共同参画局「DV相談について」 https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/dv_navi/
確認日:2026年8月24日
